静岡と高知。物理的に離れた二つの地域を拠点とする経営層やリーダー層が集い、地域の枠を超えて本音で語り合う「越境勉強会」を2026年3月10日に高知銀行本店(高知市)にて開催しました。「地方企業がこれからを勝ち抜くためのヒントが、越境勉強会と高知の『おきゃく』との中にありました。」
※土佐の「おきゃく」とは:高知では宴会のことを「おきゃく」と称し、独特の献酬文化を含むコミュニケーションの場を指します。2006年からは同名のイベントもスタートしました。▶【出典・公式サイト】土佐の「おきゃく」:https://tosa-okyaku.com/

展示会での出会いから「地域変革」のパートナーへ
今回のきっかけは、静岡で開催された展示会「TECH BEAT Shizuoka 2024」にあります。高知銀行様が高知の地元企業を連れて静岡を訪れた「ツアー」での出会いをきっかけに、Wewillの可視化・分業管理SaaS「SYNUPS(シナプス)」の導入へと発展しました。以来、共に地方で挑戦を続ける立場として、また地域企業を支援する立場として、お互いの地域のアップデートに向けた意見交換を重ねてきました。2025年7月には、出会いの場である展示会「TECH BEAT Shizuoka 2025」にて共催セミナーを実施。今回は「地域や組織の枠を超えた経営者やリーダー層同士の交流」のため、2026年3月10日から11日にかけて静岡を中心とした経営者とWewillが高知へ越境する本ツアーを開催いたしました。
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共同開催の背景:なぜ今、この「越境」が必要なのか
人口減少をはじめとする社会課題が地方で加速し、社会の前提条件そのものが激変する今、従来通りの対応で企業の持続的成長を望むことは困難です。 地方企業が生き抜くためには、地域の文化や特性といった「ローカルの強み」を再認識するとともに、外部の技術や知見を積極的に取り入れるオープンな姿勢が欠かせません。 だからこそ、物理的・心理的な枠を超える「越境」が強く求められています。地域や組織を超えた交流を通じ、自社と地域を共に「アップデート」していく。その強い共感こそが、今回の越境交流ツアーを実現させる原動力となりました。
Wewillが「越境」をする理由:ミッション「世界をもっと面白く、美しく。」の体現
Wewillのミッションは「世界をもっと面白く、美しく。」です。私たちは、専門性あるバックオフィス支援を通じて、個別の企業の成長を支えるだけでなく、その集合体である社会全体の活性化に貢献することを目指しています。
静岡の経営者の皆様を高知へご案内し、地域を超えた学びの場を創出することは、まさにこのミッションの実装です。離れた地方の企業同士が交流し、刺激し合うことで、新たな視点や共創の種が生まれます。そのプロセスが、高知銀行のお客様や地域の活性化に繋がることは、Wewillにとっても最大の喜びであり、地域金融機関と共に取り組む大きな意義であると考えています。
高知銀行との強固な連携:「SYNUPSユーザー」から「共創のパートナー」へ
高知銀行とWewillは、同行における業務改革の取り組みや、過去の共同セミナー開催を通じて、深い信頼関係を築いてきました。
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今回のツアーも、本店会場の提供や地域企業のお誘い、精米事業担当者による地域文化の紹介まで、共に企画を進めていただきました。単なるサービス利用企業という枠を超え、地域をより良くしたいという志を同じくする者同士、今回の越境学習を実現させました。
越境勉強会:『アライアンス』を読み解く本音の対話
今回のツアーは、一方的な視察ではなく、経営者やリーダー層同士が本音で語り合い、新たな「問いや視点」を見つけるための「越境学習」です。
高知銀行本店5階を会場とした勉強会では、高知・静岡を中心に福岡の参加者も加わり、金融、VC、行政機関、そして建設・製造・ITなど多業種の経営層から現場リーダー層まで約20名が参加しました。新しい組織・会社と従業員とのあり方を議論し、予定時間を超える白熱した対話がなされました。

人材開発・組織開発事業を主力として展開。チーム全員が自律的に成果創出に貢献する「全員マネジメント」という新しいスタイルを提唱し、大手から地域の中小企業まで、強い組織やチームづくりの支援を幅広く行っている。また、本拠地である浜松市にて経営者勉強会や「金ガレ」を主催するなど、地域リーダーが集う「越境」の場づくりも牽引。
▶株式会社NOKIOO
▶金ガレ
ワークショップのテーマ
「あなたの会社と社員の皆さんはどんな関係と表現できますか?」
単なるお金と労働力の交換ではなく、お互いの価値を高め合うことにコミットする「アライアンス(提携)」という視点から、自社の現状を問い直しました。
議論のハイライト:現場から溢れ出た「葛藤と覚悟」
議論は、抽象的な理論に留まらず、参加者たちのリアルな実体験も交えてディスカッションが進みました。
- 社員側のリアルな悩み:提供できる「価値」が見えない不安
- 「会社から提供される価値は言語化できるが、自分が会社のためにどれだけ価値を提供できているかが見えていない」というリーダー層の声が上がりました 。これに対し、「上司からのフィードバックがあって初めて自分の価値を実感できる」というコミュニケーションの重要性が再認識されました。
- 「会社から提供される価値は言語化できるが、自分が会社のためにどれだけ価値を提供できているかが見えていない」というリーダー層の声が上がりました 。これに対し、「上司からのフィードバックがあって初めて自分の価値を実感できる」というコミュニケーションの重要性が再認識されました。
- 業界特有の壁:10年かけて育成する「建設業」にアライアンスは可能か?
- 「10年はかかる技術職の世界では、簡単に転職されては成り立たない」という、地方の基幹産業ならではの葛藤がぶつけられました 。一方で、「だからこそお金だけでなく、この産業を『稼げる産業』へと底上げし、ビジョンに共鳴してもらうしかない」という経営者の覚悟も語られました。
- 「10年はかかる技術職の世界では、簡単に転職されては成り立たない」という、地方の基幹産業ならではの葛藤がぶつけられました 。一方で、「だからこそお金だけでなく、この産業を『稼げる産業』へと底上げし、ビジョンに共鳴してもらうしかない」という経営者の覚悟も語られました。
- 経営者の先行投資:先に「差し出す」ことで変わる空気
- 「まずはこちらから休日や待遇を提供しないと、スタッフはこっちを向いてくれない」という、自動車整備業を営む経営者の実践論が共有されました。福利厚生を整え、対話を重ねることで、少しずつスタッフの意識が自律的に変わり始めたという実体験も共有されました。
- 「まずはこちらから休日や待遇を提供しないと、スタッフはこっちを向いてくれない」という、自動車整備業を営む経営者の実践論が共有されました。福利厚生を整え、対話を重ねることで、少しずつスタッフの意識が自律的に変わり始めたという実体験も共有されました。
共通の気づき:「ありたい姿」を言語化し続ける執念
対話を終え、参加者たちが行き着いたのは、地道な「言葉」のやり取りでした。
- 「個人のなりたい姿」を誰が聞いているか?
- 会社のビジョンは語られても、社員一人ひとりの「どうなりたいか」は置き去りにされがち。人事面談で「業務目標ではなく、君がどう成長したいか」を問い、それをサポートする姿勢を見せることで、初めて本人の「スイッチ」が入るのではという共有もありました。
- 会社のビジョンは語られても、社員一人ひとりの「どうなりたいか」は置き去りにされがち。人事面談で「業務目標ではなく、君がどう成長したいか」を問い、それをサポートする姿勢を見せることで、初めて本人の「スイッチ」が入るのではという共有もありました。
- マネージャーの役割は「共通点」の明示
- 「会社の目標」と「個人のキャリア目標」の重なりを、マネージャーが意識的に探し、明示し続けること。この「言語化」のプロセスこそが、信頼という名の提携関係を築く道のひとつではないかという示唆が参加者から投げかけられ、勉強会は幕を閉じました。

勉強会の締め:高知銀行の河合頭取より、高知の街と文化への愛着、そして参加者への感謝
株式会社高知銀行 取締役頭取 河合祐子 氏
「今日お集まりいただいた皆様、本当にありがとうございました。高知の伝統的な宴の文化である『土佐のおきゃく』は今年で19回目を数え、お酒を飲むというテーマだけで街全体が9日間も盛り上がる、世界でも類を見ない高知ならではの祭典です。
会場へ向かう道すがら、ぜひ活気あふれる街の様子をご覧になってください。そして会場に着きましたら、皆様も高知の一員として、この文化を心ゆくまで楽しんでいただければと思います。」
交流会:伝統文化「土佐のおきゃく」という共創インフラ
高知の伝統文化「土佐のおきゃく」を体験するため交流会の会場へ移動しました。単なる懇親の場ではなく、この街全体が持つ「心理的安全性の高さ」こそが、肩書きを超えた本音の対話を生み、地域間イノベーションの種を蒔く強力なインフラであることを実感する時間となりました。

今後の展望:地方から「面白い世界」を創り続ける
Wewillと高知銀行様は今後も、それぞれの地域企業が「越境」を通じて進化し続けるための交流を継続してまいります。
静岡と高知、それぞれの地で挑戦を続ける企業同士が繋がり、化学反応を起こすことで、地方から日本全体をアップデートしていく。Wewillはこれからも、お客様のバックオフィスを支え、お客様の成功を通じて社会の活性化に貢献してまいります。