―― まず、御社の事業内容について教えてください。
大久保様:この10年で、ペットが「家族」としての存在感を高める一方、社会制度や環境には依然として大きなギャップが残っています。そのギャップを埋め、ペットを家族として当たり前に愛せる産業と文化を創ることが、私たちの存在価値です。
現在は、審査制の保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI」、専門家が執筆するペットライフメディア「PETOKOTO MEDIA」、ヒューマングレードのフレッシュペットフード「PETOKOTO FOODS」を展開しています。
ペットを迎えてから、共に暮らし、そして亡くなるまで。その「一生」と「一匹一匹」に寄り添い、すべての体験を任せていただけるライフサイクル・プラットフォームの構築を目指しています。
経理や労務を「誰がやるん?」 からの事業成長を止めないパートナー探し
―― Wewill導入前、どのような状況でしたか?
伊藤様:ファイナンス責任者の退任と、経理担当者が家庭の事情で海外移住することとなり、社内では「誰が業務を担うのか」という状況になっていました。私自身は人事畑の出身で、経理や労務は未経験でしたが、請求書発行や郵便物対応、契約手続きなど、バックオフィス業務全般を担当することになりました。スタートアップでは事業成長を最優先としていますが、そのための時間を確保できないことが、当時最も大きな課題でした。
―― 採用か、業務委託か。当初、アウトソーシングすることは選択肢になかったそうですね。
伊藤様:はい。正直、最初はバックオフィスは重要な部門だと思っているので、アウトソーシングするという発想がありませんでした。ですが、社内にて複数の選択肢を比較検討した中で、コスト面やバックオフィス業務を一括で担ってくれるという点でもWewillさんがいいのではと考えが変わりました。
―― 最終的な決め手は何だったのでしょうか?
伊藤様:型化してくれるという点と、組織拡大時の柔軟性が特に印象に残りました。採用にはコストがかかり、業務委託では担当者が辞めるたびに引継ぎが必要になります。再成長のためには、大きなコストをかけずに事業を継続することが重要です。Wewillさんは、ハンズオンで伴走しながら業務を「型化」してくれ、組織が大きくなった際には必要な部分だけを切り出して内製に戻すことも可能です。その柔軟性が大きな魅力だと感じました。
――サービス導入には「安心して任せられるか」も大切なポイントだと思います。導入前後含め、弊社への信頼につながった部分があれば教えてください。
大久保様:導入前の打ち合わせの段階から丁寧なコミュニケーションを取っていただきました。導入後は(Wewillコンサルタント)中村さんの人柄も信頼に繋がっています。あくまで第三者的な立場でありながらも、「PETOKOTOの一員」として寄り添ってくれる。とはいえ、プロの視点から「こうすべき」という提案もくれる。CFOは採用しながら、バックオフィス実務はWewillさんを継続する企業も多いと聞き、そういった将来的な方向性が見えたのも大きかったです。

執行役員COO 伊藤様
“探偵”のように入り組んだ状況を解明。線引きのない支援と、内製時代を超えた成果
―― 導入当初は、入り組んだ状況だったと伺いました。
中村(※Wewill コンサルタント):そうですね。弊社がご支援を開始したその月の月末に、ファイナンス責任者の方の退任が決まっていました。さらに、経理担当者の方もその2か月後には家庭の事情で退職されるという状況でした。そのため、限られた時間で引継ぎを行うと同時に、業務を「SYNUPS」で定義して型化(落とし込み)しました。属人化しない安定した運用体制の構築を進めた結果、スムーズに月次業務を回せる状態を整えることができました。
伊藤様:当時は本当に「どうしよう」という状況でしたが、Wewillさんはできる・できないではなく、状況を正確に伝えると、「ではこう整理しましょう」とすべて受け止めてくれました。これはうちの業務ではないという線引きは一切なく、私たちが把握できていない点も、まるで探偵のように解き明かしてくれました。この伴走の距離感が非常に助けになり、安心して業務を任せることができました。
―― 導入後、特に印象的だった成果はありますか?
伊藤様:まずはコスト削減です。導入したSaaSが整理されないまま散在しており、経費精算やクレジットカード運用で重複コストが発生していることを指摘いただきました。そこで1つのシステムへの統合を提案・実行していただき、ベンダーとのセッションにも同席いただきました。これだけで年間約100万円の削減になりました。
大久保様:内製時よりも業務がシンプル化され、納得感のある体制が整いました。例えば、月次決算では締め日のスケジューリングを明確に提示いただき、業務の効率化が実現しました。また、内製時代から2年間解決できずにいた原価計算の課題についても、Wewillさんが粘り強く議論と調査を重ねていただいたことで、ようやく解決に近づいている感覚があります。こうした成果は、Wewillさんならではの伴走支援があったからこそだと思います。

代表取締役CEO 大久保様
―― 導入後のポジティブな変化について教えてください。
大久保様:「業務が可視化され、スッキリした」という点が最も印象に残っています。内製では、スタートアップ特有の忙しさから「ここはまあいいか」と妥協しがちですが、Wewillさんはプロとして妥協せず対応してくれます。それでいて、完全な外部の人間というわけではなく、「中の人」でありながら「第三者」の視点も持っています。そのため、私たちも遠慮せずに意見を伝えやすく、また質問することができます。
伊藤様:私は中村さんのことを「PETOKOTOのコーポレート責任者」だと感じています。チーム全体の対応が非常に丁寧で、こまめに連絡もいただけるため、スピード感と当事者意識の高さには本当に助けられています。言葉遣いは平易ですが、「ちょうどいい」存在。深く見ていただけるので、安心感が大きく違います。おかげで私たち(CEO・COO)は、本来集中すべき事業成長に専念でき、Wewillさんの存在によって会社が円滑に回っている実感があります。
「CFO業務まで」期待。再成長へのパートナーへ
―― 今後Wewillに期待することは何でしょうか?
大久保様:私たちは再成長フェーズに入ろうとしています。これからは、より経営と財務・経理を一本の線で結ぶ体制が必要です。その体制構築を、Wewillさんと一緒に進めていきたいと考えています。CFO業務や経営に関わる相談まで、幅広くご相談できることを期待しています。
伊藤様:BtoCで製造も行っている、当社の事業特性を深く理解いただいた上で、経営に踏み込んだ提案をいただけると、より安心して任せられると期待しています。
「採用か、Wewillか」で迷う経営者・責任者の方へ
―― 最後に、同じような課題を持つスタートアップの経営者やコーポレート責任者の方へメッセージをお願いします。
伊藤様:コーポレート機能は、一旦丸投げしても、Wewillさんならすべて整理し、形にしていただけます。私たちの事情を深く汲み取り、「ふんだくろう」という意図は一切なく、最低限これは必要というラインを常にこちらの視点で示してくれます。営業されている感覚ではなく、「どうしましょうね」と一緒に悩んでくれる伴走者のような存在です。まずは一度、すべて相談してみることをおすすめします。
大久保様:スタートアップの経営目線で言うと、シード段階でコーポレートの1人目を採用するのは非常に難しい選択です。ただ、最初の段階でWewillさんのようなプロと業務の「型」を作り、その上で必要に応じて採用していくことは効率的であると感じます。今後のスタートアップエコシステムにおいて、このようなサポートは非常に重要な役割を果たすのではないかと思います。

左から、伊藤様、大久保様、弊社中村