三光製作株式会社様、6か月プロジェクトについて

バックオフィス回りにはどのような課題があったのでしょうか。
専務:弊社は家族経営で、長年、先代の社長の妻である常務が経理業務を一手に担ってきました。高齢に伴い引退を考える中で、業務の引き継ぎを手伝っていただこうとWewillに業務改善コンサルティングとBPOを依頼しました。元々、3年ほど前から引き継ぎは始めていたのですが、新たに採用した人が辞めてしまうなど中途半端な状況でした。

どのような業務改善コンサルティングを受けましたか。
専務:まずは今までの経理業務を全てヒアリングし、まるごと引き継ぎを実施してもらいました。そこから、改善できる部分を少しずつ新しいやり方に変えていきました。例えば、書類管理です。これまでは請求書を全て紐に綴って管理していたため、チェックや検索に時間がかかっていました。誰が見ても分かりやすいよう整理し、エクセル上でも科目と請求書番号を一致させたほか、資金繰り表を連動させることによって視認性を高めました。
管理部門と連携し、バックオフィス業務の可視化も進めました。売上については生産管理システムから販売システムを経由し、会計ソフトと連動する形で管理していたのですが、システムの担当者が異なっていたこともあり、債権情報にずれがありました。請求額と顧客からの入金額の不一致があった際に各システム上で数値を揃えられておらず、全てチェックした結果、約100万円のずれが判明しました。そこで、ずれへの問題意識を共有し、生産管理、販売、会計のそれぞれのシステム上で数字が一致するようなガントチャートを作成してもらいました。現在は毎月1回、生産管理、販売、会計の数字に差異がないかをWewillの担当者とのミーティングで確認しています。
大変だったことはありますか。
宮沢さん、小山さん:売上管理のずれに対する意識変革です。元々、現場や管理部で、数字を合わせるための請求書の書き換えが頻発していました。社員の中には、最終的に常務がやってくださる、と頼っている部分があったのかもしれません。そういった会計の不一致に正しい問題意識を持ってもらえるよう、Wewillの担当者と一緒に在庫管理や数字の大切さを伝えていきました。
上記の対応による変化や効果を教えてください。
常務:課題を共有することで、間違いを発見しやすくなったと思います。社内での共有だけでなく、Wewillが入ることで第3者の目による確認ができてありがたかったです。それまでは一人経理だったので、ずっと肩に重荷が乗っているような気がしちゃって。おかげで楽になりました。

専務:やはり、バックオフィスって非常に大事で、そこがドタドタしているとものづくりに力を発揮できないと感じました。大事な業務に入り込んで、一緒になって考えてくれ、心強かったです。また、管理部の業務が可視化されたことで担当者の変更や業務の振り分けがしやすくなり、人材配置の自由度が高まりました。特に、これまで管理部門を担っていた社員の松本は、より現場に近い業務にシフトさせることができました。
松本さん:今は時折相談を受ける程度で、管理部門の業務を引き継ぐことができています。私自身、前任者の退社に伴い管理部門の業務を引き継いだ時は、移行期間が短く非常に苦労しました。今回、引き継ぐ側として同じ苦労をさせたくないと準備したのですが、Wewillに入ってもらうと、自分で考えていた準備が不十分だったことも分かりました。
今後取り組んでみたいことはありますか。
社長:特にガントチャートによる工程管理は、営業部門などバックオフィス以外にも横展開させていきたいと感じています。受注や営業業務の中で生じた課題をシェアすることで、関係する社員が連携してより良い解決に持っていけるのではないかと考えています。
業務の可視化も同様です。可視化を進めることは、今いる従業員はもちろん採用にも役立つと考えています。「うちの会社はこういう仕組みで、入社後1年、2年、3年でこういうことができるようになってほしい」と明確に伝えることで、入社するかどうかの判断がつきやすくなると思うんです。

事業の展望について教えてください。
社長:これからも事業の継続成長を目指していきたいです。今いる従業員1人1人がお客様に価値を提供することを通して、成長実感を得ることが一番大切だと感じています。そのためにITを活用して効率化する部分と、人材育成やお客様との対話といった人間が注力すべきことを判断しながら、引き続き取り組んでいきたいです。