公開日:2026年3月5日

【開催レポート】浜松の中小企業が挑む『第2の創業』とは?挑む中小企業プロジェクト2025最終成果報告会

挑む中小企業プロジェクト2025 最終成果報告会の様子

総勢80名が目撃した、新規事業創出のリアル

2026年2月27日(金)、浜松市のCo-startup Space & Community「FUSE」にて、中小企業の新規事業創出を支援する「挑む中小企業プロジェクト2025」の最終成果報告会(デモデイ)が開催されました。

本プロジェクトは、公益財団法人浜松地域イノベーション推進機構と浜松市が主催し、株式会社ユニコーンファームがプログラム協力、同社代表取締役CEOの田所雅之氏が講師を務めました。また、株式会社Wewillは運営事務局を務めています。会場には、5ヶ月間にわたるプログラムを走り抜けた参加企業15社をはじめ、審査員、支援機関、行政機関、地域企業の皆様など総勢80名が集結し、熱気に包まれました。

本会では、参加企業15社を代表して5社が5分の成果報告ピッチを行い、その中から最優秀賞、優秀賞の2社が選ばれました。また2度目の「挑む」参加となった企業と地域の急成長企業の3社によるPRピッチも披露されました。体系的な事業開発フレームワークの習得、専門家による徹底した壁打ち、そして市場での仮説検証と、5ヶ月間泥臭く「事業の種」を磨き上げたプランをぶつけ合う、緊張感もありながら熱量の高い1日となりました。

主催者の浜松地域イノベーション推進機構・長田繁喜理事長は、「本業の他に新たな稼ぐ柱を作る『第2の創業』を進めていくことが何よりも必要だ」と、地域経済活性化への強い期待を寄せました。

発表ハイライト:現場の「痛み」から生まれた事業プラン

最優秀賞

テイボー株式会社

新商品開発室 原田 英征 氏

ペン先技術が描く介護の未来 ~洗えない日の「とかす」頭皮ケア~

テイボー株式会社 原田 英征 氏の発表

世界トップシェアを誇るサインペン等のペン先製造技術(多孔質コントロール技術)を応用し、介護現場における洗髪の課題解決に挑む事業です。入浴回数が週2回程度に限られる介護現場において、水やタオルを使わずにクシで髪をとかすだけで、頭皮の汚れ吸着と洗浄成分の放出を同時に行えるプロダクト「TOKIあらい」。介護従事者の業務負荷を軽減しながら、利用者の整容とQOL向上を目指す、独自の微細加工技術を活かした新領域のヘルスケア事業です。

優秀賞

株式会社斎藤鐵工所

代表取締役社長 齊藤 雄大 氏

「止まらない工場」を実現!
~中小製紙メーカーの生産停止リスクを利益に変える「設備予防保全サービス」~

株式会社斎藤鐵工所 齊藤 雄大 氏の発表

富士市の基幹産業である製紙業界が直面する、設備の老朽化と突発的なライン停止による多額の損失を解消するためのサービス。創業107年の製紙機械メーカーとしての知見を活かし、従来の「壊れてから直す」事後保全から、計画的にトラブルを防ぐ「予防保全」への転換を支援。現場オペレーターでも容易に異常を察知できる独自の点検仕組み化と、専門家による定期訪問を組み合わせたサブスクリプション型モデルを提供することで、地域の製造現場の安定稼働と利益確保を支えます。

その他のピッチ登壇企業(ピッチ順)

三光製作株式会社
生産技術Gr 一木 侑太 氏

現場の「本音」で回す。めっき工場の潜在価値を解き放つデータ変革

データ化自体を目的とせず、現場作業者への徹底的なインタビューから得たインサイトに基づき、「見える・貯める・使う」の3ステップで生産現場の潜在価値を取り戻すプロジェクト。

テガラ株式会社
新規事業開発室 マネージャー 庄司 晴希 氏

オープンソースの「集める・つくる」をお手伝い:HW Builder 360

世界中の研究者が、ロボット等のオープンソースハードウェアの設計図があっても、部品調達や組み立て、検証に膨大な時間を費やしている「製作の苦行」に着目したサービス。

株式会社遠州ハママツモータース
代表取締役CEO 山岸 真智 氏

ハママツから世界へ-eモータースポーツSTEAM教育で次世代モビリティ人材を育成

eモータースポーツを入り口とした体験型STEAM教育を提供し、子供たちの理系離れと地元企業の若手不足という課題を同時に解決するエコシステムを構築。

PRピッチ:既存の壁を突破する「次なる一手」

PRピッチでは、2度目の「挑む」参加となる企業と急成長企業の3社が、すでに動かしている事業のさらなる磨き込みの成果を披露しました。

株式会社NOKIOO
代表取締役 小川 健三 氏

骨太な人材が育つ学びカルチャーを組織につくる「ManabiBase」

働き方改革の進展で失われた、職場での「自然な学び合い(真面目な雑談)」を仕組み化するプラットフォーム。

ソコラボ株式会社
代表取締役 奈良 晃寛 氏

手描きスケッチからオリジナルキャラクターグッズ生成「らくがきキャラメイカー」

子供の描いた絵をAIでデザインし、その場でグッズ化してEC販売まで繋げるサービス。

株式会社モリロボ
代表取締役 森 啓史 氏

「クレープロボット〈Q〉」の成長戦略

自動でクレープ生地を焼くロボットを開発し、すでにスーパーやホテルなど国内外150台以上の導入実績を持つ。

参加者・観覧者の声:現場と繋がる、学びの熱量

プログラム参加者の声:5ヶ月間の「苦闘」と「前進」

「一番の収穫は、技術起点ではなく『相手が何に困っているか』という顧客起点に意識が大きく変わったことです。社内でも『挑む』への挑戦を公言することで、社内が応援してくれる空気が生まれたのは大きな財産です。」

「事業計画書を作るのは本職ではなく本当に大変でしたが、スケジュールに沿ってタスクをこなす環境が、5ヶ月間で強制的に私たちを前進させてくれました。今後もプロジェクトを続け、事業化していきます。」

「我々は小さな会社で、普段は外部との接点がほとんどない。新規事業の開発はもちろんですが、外の空気に触れさせる社員教育の入り口になると思ったんです。」

一般観覧者の声:会場を包んだ「共感」と「浜松プライド」

「新規事業において最も大事なのは『現場の困りごと』に立ち返ることだと痛感しました。自分においても非常に勉強になり、自分もいつかこのステージに立ってみたいと強く思わされる活気がありました。」

「浜松は製造業のプライドが強く、自分たちが変えていかなければという思いが強い地域。浜松の一員として頑張りたいという気持ちが湧いてきました。」

審査員の眼:中小企業の「変革」が日本を救う

講師・審査員

株式会社ユニコーンファーム 代表取締役CEO 田所 雅之 氏

「プログラムを通じて、自走するための『釣り方(スキル)』を体系化して伝えました。0から1が形になる事例が確実に出始めています。『自分の型』を磨き続けてほしい。」

審査員

フォースタートアップス株式会社 オープンイノベーション本部 執行役員 鈴木 聡子 氏

「激しい変化の中では現在の課題は『点』でしかなく、変化し続けなければ陳腐化します。早く市場に出しブラッシュアップし続ける『行動力』こそが今求められています。また、採択企業同士が励ましあう『同級生のような横の繋がり』という絆も、ぜひ次のチャレンジに繋げてほしい。」

審査員

スズキ株式会社 常務役員 経営企画本部長兼サステナビリティ推進プロジェクト長 熊瀧 潤也 氏

「自社の価値を『抽象化』し、別の要素と掛け合わせる『新結合』こそがイノベーションです。誰の何の苦しみを助ければお金を払ってもらえるか、という顧客視点を極限まで高めてほしい。」

挑む中小企業プロジェクト2025 修了企業一覧(五十音順)

株式会社いなさ・株式会社エース技研・株式会社エンコース・株式会社遠州ハママツモータース・株式会社斎藤鐡工所・三光製作株式会社・株式会社スズヒロ・ソコラボ株式会社・テイボー株式会社・テガラ株式会社・株式会社NOKIOO・有限会社浜名樹研・BEYON CHEMICA有限会社・株式会社モリロボ・株式会社ヤマト製作所

以上15社。

3期累計59社修了。

次なる「挑む者」へのメッセージ

ある参加者は言いました。「迷っているなら、迷わず行け。今日が、人生で一番若い日です。」
あなたもこの「変革」と「コミュニティ」の中に飛び込み、自社の未来を変える一歩を踏み出してみませんか?

「挑む中小企業プロジェクト」
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